英国のヘンリー王子が8日、エリザベス女王の一周忌にウィンザー城の礼拝堂にある女王の墓をサプライズ訪問したことで王室との対立をより深める結果になったと米オンラインメディアのデイリー・ビーストが報じた。自身がパトロンを務める慈善団体の授賞式に出席するため英国に一時帰国していた王子は、予告なしに礼拝堂に姿を見せ、建物から出てくるところを居合わせた一般人によって撮影されていた。 【写真】来日したヘンリー王子 チャールズ国王は公式な追悼行事を行わないことを決め、王室メンバーはそれぞれ私的に女王を追悼した。チャールズ国王は女王が最も愛し、最期を迎えたバルモラル城でカミラ王妃と共に過ごし、朝には近くの教会で行われた礼拝に出席した。また兄ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子夫妻も、ウェールズにある聖デイビッド大聖堂で行われた礼拝に参列し、女王の写真に花束を手向けて黙とうをささげたことが伝えられている。 王室のこうした慎重に演出された追悼計画を、ヘンリー王子は電撃的に女王の墓参りをすることで意図的に台無しにした可能性があるとデイリー・ビーストは伝えている。礼拝堂は一般公開されており、王子はふらりと一人で訪れただけだったが、それはウィリアム皇太子夫妻が礼拝に参列する直前のことで、結果としてネットの話題を王子が独占する形となった。ヘンリー王子は、昨年末のネットフリックスのドキュメンタリーに続いて今年1月に暴露本を出版して以降、ウィリアム皇太子との確執が深まっているだけに、王子の行動は王室への挑戦と受け取られかねず、王室の担当者を驚かせた可能性があると指摘している。 ヘンリー王子は礼拝堂を訪れた後、ヒースロー空港に向かい、9日に開幕する負傷兵士らのための国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」に出席するため、ドイツ・デュッセルドルフに向かったと英デイリー・メール紙が伝えていた。 王室との対立を深めるヘンリー王子だが、インビクタス・ゲームが閉幕した翌日にチャールズ国王と和解に向けた直接協議を行う可能性が取り沙汰されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)