Scott Murdoch [シドニー 31日 ロイター] - S&Pグローバル・レーティングは、中国不動産開発大手、中国恒大集団に対して香港の高等法院(高裁)が清算命令を出した問題で、ドル建て債を保有するオフショア債権者は裁判所主導の複雑で長い清算手続きを経てわずかな資金しか回収できない見込みだと分析した。 31日付のリポートで、中国の不動産開発業者によるオフショア債のデフォルト(債務不履行)で、裁判所を介した資金回収率は平均約2.8%だと指摘。 不動産開発業者が中国本土で発行したオンショア債の回収率は8.3%だという。 S&Pの中国企業専門家、チャン・リー氏はオフショア債の保有者は清算手続きを経て「(額面)1ドル当たり数セント」しか回収できないと予想した。 S&Pによると、恒大は中国本土外に拠点を置く持ち株会社のため、本土の子会社が清算された場合は本土の債権者の返済順位が恒大よりも高くなる見通し。 このため、恒大は配当や株主融資の返済など本土子会社のキャッシュフローを使う形か、子会社の株式売却でしか資金回収ができないとした。 恒大は債務超過に陥っているため「これが問題点」と指摘した。