勤勉で長時間働くイメージがある日本人ですが、実労働時間はお隣・韓国の方が長いという事実をご存知でしょうか。 【世界の労働時間ランキング】1~42位まで全体・男女別に見る そこで今回、総務省統計局が発表した「世界の統計2023」から、日本と世界の労働時間を比較しました。 記事後半では、労働時間を男女別に分けて紹介します。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本と韓国、男女別週当たりの「実労働時間」を比較
日本の週当たりの実労働時間は、全産業の平均で37時間。製造業39時間、建設業41時間です。一方の韓国はというと、全産業の平均で39時間、製造業42時間、建設業38時間となっています。 全産業の平均を見てみると、日本は37時間、韓国は39時間なので、韓国のほうが週2時間長いことが分かります。 日本と韓国の大きな違いは、女性の労働時間。全産業の男性の労働時間は同じ(41時間)なのですが、女性は韓国の方が週に4時間長く働いています。
日本と世界の労働時間を比較
世界の全産業の労働時間と比較してみると、日本はアメリカと同じ20位という意外な結果に。 気になる1位は、バングラデシュの47時間。2位のトルコとマレーシアが43時間なので、4時間も差があることになります。 ちなみにバングラデシュは、インドの隣にあります。日本の4割程度の大きさ(14万7000平方キロメートル)の国土に1億6935万人(2021年)が住んでいます。主要産業は衣料品・縫製品。近年は、世界の繊維産業の中心国として、急速にその存在感を増している国としても有名ですね。 4位以下は、メキシコ、コロンビア、タイ、ギリシャ、ポーランド、ルーマニア、エジプトと続きます。
【男性】日本と世界の労働時間を比較
男性の全産業の週当たりの労働時間を比較すると、日本は41時間で韓国と同じ7位ということから、労働時間が長いことが判明しました。やはりここでも1位はバングラデシュ。週51時間の労働は、2位のトルコ・メキシコに6時間もの差があります。 GDP(国内総生産)世界1位のアメリカは、39時間で21位。日本を抜いてGDP3位になると話題になったドイツは、38時間で30位です。 週35時間と、労働時間が一番短いフィリピン・オランダは、バングラデシュと16時間もの差があります。
【女性】日本と世界の労働時間を比較
女性の全産業の週当たりの労働時間、日本は31時間で33位となりました。欧州の国々と変わらない水準で、労働時間が比較的短い結果に。 1位はマレーシアの42時間。40時間で2位のトルコは、男女ともに長時間働いていることが分かりました。 男女別の労働時間を見てみると、男性の方が長く働いている国が多いのですが、フィリピンは違いました。女性36時間、男性35時間と女性の方が1時間長く働いています。 そして、男女ともに労働時間が少ないのはオランダでした。男性は35時間で、女性は27時間。女性は週5勤務だとすると、1日5.4時間働く計算になります。
1人当たりのGDPを見ると…
いかがでしょうか。今回は日本と世界の労働時間について紹介しました。 経済が低迷している日本のGDPはドイツに抜かれて、世界4位になると言われています。 2020年の一人当たりのGDPは40048ドル(約606万円/11月10日時点)。アメリカは63123ドル(約956万円)、オランダ53334ドル(約807万円)と先進国の中でも低い水準となっています。 苦しい生活が続く日本国民。浮上することはあるのでしょうか。
参考資料
・総務省統計局 世界の統計2023『男女週当たり実労働時間』 ・総務省統計局 世界の統計2023『一人当たり国内総生産』
小野田 裕太