「弊社の関係者は誰も作成に関与しておりませんし、指名をしない記者を決める等も全く行なっておりません」(ジャニーズ事務所のHPから) 北公次の悲痛な叫び…性被害を「新聞も女性週刊誌もテレビもリポーターも取り上げない」 この期に及んでこんな言い訳が通用すると思っているほど、ジャニーズ事務所の頭の中は“お花畑”ということだろう。 ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏の性加害問題を巡り、ジャニーズ事務所は5日、公式サイトで「弊社記者会見に関する一部報道について」という広報文を発表。10月2日に都内で行われた記者会見で、事前に指名する記者と指名しないNG記者を選別していた“八百長”についてこう開き直った。 会見を委託したコンサルティング会社との打ち合わせが9月30日に行われた際に同社の井ノ原快彦副社長(47)が「NG」という文字に対して「これどういう意味ですか?絶対当てないとダメですよ」と指摘、リストを作成したコンサル会社を注意したと事務所は釈明し、関与を否定した。だが、当日の会見場でのやりとりを見ればこれが大ウソということは明らかだ。
井ノ原快彦副社長の役者ぶり
会見では2時間もの間、挙手を続けても司会者から一向に指名されないと憤慨した一部記者が怒声とやじを飛ばした際、「ちょっと一言いいですか」とマイクを握り、井ノ原はこうたしなめた。 「できる限りルールを守りながら、ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたいって僕は思ってますので、どうか、どうか落ち着いてお願いします」 この冷静な対応に賛同や称賛とみられる拍手が一部報道陣から湧き起こったが、井ノ原は最後まで指名されることのない「NG記者」の存在を知ったうえで秩序を乱す悪者扱いにしたのだから本業以上に大した役者ぶりである。 「会見では、東山社長の紋切り型対応と違い、井ノ原さんはアドリブを交え落ち着いた配慮ある応答で『いい人』と評価をあげていました。ところが、蓋を開けてみたら、NGリストに関与し、想定問答に沿っての言動をしていたに過ぎなかったわけです」(ベテラン芸能記者) 会見場での井ノ原発言への不可解な拍手も、「(ジャニーズが)仕込んだんじゃないかと疑われても仕方ない」とベテラン記者は続けたが、「ジャニーズ事務所に批判的で不都合なメディアを会見や製作発表などから締め出すのは自家薬籠中の物です」と、マスコミ幹部がこう話す。 「アメとムチで統制したスポーツ新聞などの担当記者を揃えてヨイショ記事を書かせるのももはやお家芸みたいなもの。従わない週刊誌、写真誌、夕刊紙はおおむねNG媒体と呼ばれて排除してきましたから。メディアの選別は長年にわたって白波瀬傑前副社長が差配していました」 にもかかわらず、ジャニーズ事務所の広報文では「弊社としては、今後は、メディアの皆様との健全な関係を築き、対話を継続してまいりたいと考えていたところです。今回は、会見を委託したコンサルティング会社がしたことであっても、それは弊社が雇った責任があると言われれば、その通りであり、大変悩みましたが、現時点でわかっていることだけをご報告させて頂きます」と被害者ヅラなのだからヘソが茶を沸かす。
知らぬ存ぜぬとは片腹痛し
東山紀之新社長は「今後、事務所がメディアに圧力をかけることはない」と9月の会見で宣言したが、その舌の根の乾かぬうちに、同じことをやらせていたのである。東山は社長という責任のある立場なのだから、知らぬ存ぜぬは通用しない。長年メディアを牛耳ってきた白波瀬前副社長は代表取締役副社長を引責辞任後、退職することなく嘱託社員として勤務を続けていたことも明らかになった。 この日(5日)、ジャニーズ事務所本社(東京・港区)に設置されていた「Johnny&Associates」の看板の撤去作業が始まったが、このかくもおぞましき組織は屋号を変えての解体的出直しくらいじゃ甘すぎる。もはや完全解体しかない