2024年は成長のエネルギーが強い
――2024年は“甲辰(きのえたつ)”の年です。五行十干(東洋占術のエレメント)の新しい10年サイクルが始まる、スタートの年です。 水晶玉子さん そうです。向こう10年の始まりの年でもあるんです。まず“甲”とは“木の陽の気”を意味するエレメント。甲という字も、植物が固い種の殻を破って芽を出した姿を現しているとされています。 つまり、成長へのエネルギーが強い年なのです。こういう年に大切なのは、過去を振り返らず、未来志向で行くことです。 そして“辰”について説明します。辰は十二支唯一の架空の生き物です。常識では考えられない変化がやってきたり、強い大きな力が働いたりします。少々現実離れした理念も生まれるでしょう。 1回目で私は「あなたの夢を具体的にしましょう」と言ったのは、2024年が上記のような力を持つ年だからです。2024年に夢や理想を実現するために、動き出すといつもの年よりダイナミックに進んでいけるはず。また、2024年は時間がかかる夢の実現にも向いています。例えば資格取得、社会人大学の入学、語学の習得などは、はじめどきともいえます。 このスタートのそのベストタイミングは、2024年1月1日。この日は、十干の始まりの元日、天赦日、一粒万倍日、六十干支の最初の干支「甲子」という4つの開運日が重なるミラクルデー。元日にテキストを開いたり、パソコンを使い始めるなど、本当にささいなことでも未来につながるアクションを行うことを強くおすすめします。 ――なるほど、だから2023年に準備をしておくといいんですね。個人はもちろん、社会全体も夢に向かっていくと考えていいのでしょうか。 水晶玉子さん はい。成長のエネルギーと、ITを中心とした技術革新が重なって、世の中はダイナミックに変わっていきます。こういうとき、人々は未来に“夢”を見ます。そこに向かって社会全体が成長していこうというパワーが、自ずと生まれてくるのです。 甲辰の年に、「大きな夢」が生まれることは、歴史をひもとくとわかります。前回の甲辰(1964年)には、東京オリンピックが開催されました。あのときに、戦争の爪痕が残り、まだ貧しかった東京の風景も人の意識も大きく変わりました。東京に高速道路ができ、鉄筋のビルが林立し、国際都市に再生し、高度経済成長も加速しました。 さらに前の甲辰(1904年)にあったのは、日露戦争です。日本軍は世界最強のロシア海軍に勝利し、列強に比肩。多くの国民が、戦勝に湧き国際的な国家になることを夢見て、富国強兵路線を進んでいきました。 この大きな夢の後はどうでしょうか。高度経済成長は、バブル経済の崩壊とともに終焉。富国強兵路線をとった日本は第二次世界大戦に大敗し、おびただしい犠牲者を出し終戦を迎えました。 辰年に始まった夢は、「イケイケになる」という性質があります。2024年はコロナ禍を乗り越えた人々の、夢や希望が形になっていくと予想しています。でも、前の甲辰の夢の終焉を踏まえると、やはりある程度のところで修正しながら、自分の夢を追うことも大切だと感じています。
開運日はいい方向へ歩くための道しるべ
――2024年は、元旦が最強の開運日とのことですが、ほかにもたくさんいい日があります。天赦日・一粒万倍日・寅の日が重なる3月15日、4月30日は一粒万倍日と甲子が重なっており、カレンダーにマークしたいところです。 水晶玉子さん こういう開運日を前向きに活用すると、不思議と人生はいい方向に進んでいきます。というのも、人生は占いを活用したその人が、決断を続けた先に開拓されるものだからです。そう考えると、開運日や運気が悪い日は、いい方向を歩くための道しるべなのかもしれません。 加えて、こういう開運日や凶日を意識することは、自分の時間を大切にすることでもあるんです。「今日は開運日だから、やるべきことを早目にしよう」、「大切な話し合いが、凶日に当たってしまったけれど、用意周到に準備をしたからうまくいった」などなど。 運は循環しています。悪いときも続かなければ、いいときだって続きません。でも悪いときに動きすぎず、いいときに大事なことをしてその運気を長く伸ばす心がけはできます。それを知るだけで運はググっと上がりますよ。
相手へのリスペクトが良い循環を生む
――2024年の開運行動について、お伺いしたいです。 水晶玉子さん やはり“木”の年なので、自然の中に身を置くといい運を得られます。ハイキング、森の中の散歩などもいいですね。また辰年ですので、風水の“龍脈”を意識するといいでしょう。龍脈とは、大地の気が流れるルートのことで、山の尾根伝いにやってくると考えられています。龍脈を感じられる場所に行く、見ることも、ラッキーアクションです。 あとは、人との心の循環の意識も大切です。よく、店員さん、警備員さん、清掃スタッフの方に対して、まったく配慮をしない人がいます。そういう態度は2024年に改めたほうがいいですよ。要はちょっとした配慮を伝えるだけなのです。例えば、清掃スタッフの方が掃除をしていたら、「ここ使ってもいいですか?」などと声をかける、配達員さんにありがとうと言うなど、そういうことでいいんです。 これは、相手の仕事へのリスペクトを伝えることにも結び付いていきます。人はひとりで生きられません。こういう心の交流がいい循環を生み、いい気の環の中に入ることへとつながっていくのです。 そこから、さまざまな出会いが生まれ、あなたの夢と共鳴し、新しい人生が始まるかもしれません。今の平均寿命を考えれば、人生は二毛作です。あなたが50歳なら、あと30年以上も人生はあります。甲辰は、過去との決別、未来へのダイナミックな変化への力が強い年です。これから自分はどう生きたいか、何をしたいかと考えて、いい1歩を踏み出してくださいね! 2024年こそ、公私ともに満たされ、毎日が充実した時間を過ごす。そのために占いを活用して、いい一年にしていきましょう。 水晶玉子(すいしょう・たまこ) 洋の東西を問わず、多種多様な占術を研究。空海が日本に伝えた『宿曜経』をベースにオリジナルの「オリエンタル占星術」を確立。そのほか、多くの占術に通暁。雑誌、メディア出演、独自の占いサイトなども人気。大好評発売中の『水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦』シリーズは2024年版で累計発行部数65万部を突破。X(旧Twitter)@Suisho_Tamakoでは暦やうさぎについてなどを発信中。