「7月20日、日本の裁判所の審判結果を受け取りました。福原愛さんに対し、息子を引き渡すよう命ずる内容です」 7月27日、日本外国特派員協会で開かれた会見の冒頭で、江氏は硬い表情のままこう述べた。 江氏の隣にはワイドショーなどでお馴染みの弁護士・大渕愛子氏も同席。大渕氏は審判結果に加え、裁判所から「(江氏の権利に対する)保全命令」も出されていること、さらに「強制執行の申し立て」も行ったと説明。これにより、 「福原さんが(審判結果に)不服申し立てをする・しないにかかわらず、ただちに子の引き渡しをする義務がある」 と指摘した。しかし福原側から引き渡しに応じる意向があるか否かについての連絡すらなく、「息子と会えない」不安と恐怖に苛まれる日々を江氏は送っているという。また福原がこのまま引き渡しに応じず、子供とともに海外に出国することへの懸念も表明した。
未成年者誘拐罪
会見の最後で、福原が引き渡しを拒んだ際の「今後の対応」を問われた大渕氏は、まだ具体的には何も決まっていないと断った上で、「選択肢として未成年者誘拐罪での告訴も考える」と示唆した。 江氏と福原が結婚したのはリオ五輪後の2016年9月。17年に長女、19年に長男が誕生するも、21年3月に福原と元大手商社勤務で現在の恋人とされるA氏との不倫が発覚。同年7月に福原と江氏は離婚に至るが、子供2人については「共同親権の合意がなされた」という。 22年7月、夏休み期間中の面会交流で長男を台湾から日本に連れ帰った福原は翌8月、長男の親権指定の審判申し立てを日本の裁判所に行い、以降、長男は日本にとどまることに。 この間、江氏は長男との接触を一切絶たれただけでなく、「息子がどこにいるのか」すら分からない状態に置かれているという。
タレント生命の危機
一方の福原側も会見後、代理人弁護士名で声明文を発表。「(今回の審判結果は)あくまで一審の判決であり、事実関係について最終的な判断はされていません」として、会見が「子供への配慮を求めた台湾の裁判所の命令も無視」したものだと批判した。 福原と江氏の間では現在、日本と台湾の裁判所でそれぞれ審理が行われているが、「命令無視」とは今年3月、台湾の裁判官が審理中の係争事案の内容を公にしないよう求めたことを指す。さらに「(福原は)このような形で子どもたちが晒しものになっていくことに大変に胸を痛めております」と訴えた。 会見を見た民放キー局関係者はこう話す。 「福原さん側は否定しているものの、未成年者誘拐などという物騒な疑いが生じている時点で、テレビで使うのは当分ムリだろう。そもそも離婚原因となったA氏との不倫にしても“略奪”や“W不倫”などと報じられただけでなく、昨年にはA氏の前妻が福原に対して計1100万円の慰謝料を求め提訴する騒動まで持ち上がった。真偽とは関係なく、今回の会見が“ダメ押し”となって、福原さんのイメージは回復不能なほど傷ついた。業界内では“タレント生命の危機に瀕している”との見方が強まっている」
代表会社の社名を変更
現在、福原は卓球の国際大会を運営するWTT(ワールドテーブルテニス)日本法人のGMを務めるほか、母校・青森山田高校の系列に当たる青森大学の客員准教授にも就任。今年6月に初講義を終えるなど、芸能活動以外の分野で精力的に動き始めた矢先だった。 また自身が代表取締役を務め、アスリートのマネジメントやスポーツイベントの企画などを行う「omusubi」も「昨年12月に『J Plus』」に商号変更して、心機一転の再出発を図ったばかり」(芸能記者)だったという。 今回の会見には台湾メディアも姿を見せ、現地での関心の高さを窺わせたが、「台湾では江氏に同情する声が圧倒的」(現地メディア関係者)とされる。 江氏が会見の終盤、福原に向かって「裁判所の判断に従って平和的で安全な形で子供を返してほしい」と涙ながらに訴えると、福原側も江氏に「大人な態度で家庭問題に向き合っていただきたい」と応戦するなど、両者の主張は平行線をたどったままだ。 司法の場を飛び越え、“公開舌戦”に発展した「海峡を越えた親権問題」。激しさを増すほど、“愛ちゃん”が四面楚歌に陥っていく――との声は絶えない。
新潮社