シャニさんは、ハマスの攻撃対象となった音楽フェスに参加していた。彼女が裸に近い状態でトラックの荷台に乗せられ、ハマスの戦闘員に連行される映像は、世界中の人々に強いショックを与えた。映像がネット上で拡散されるなか、母親のリカルダさんは、シャニさんがガザ地区の病院に入院しているとの生存情報を得たことを明かしていた。 「しかし、生存情報を得てから進展がなく、リカルダさんは10月20日、『私たちは生存情報を疑い始めています。1週間以上、何も連絡がありません……』とドイツのタブロイド紙『ビルト』で涙ながらに語っていました。 海外報道によると、シャニさんの死亡が確認された今、両親たちは、“娘は音楽フェスでハマスの戦闘員に頭を撃たれて死亡した”と考えているといいます。シャニさんの妹であるアディ・ルークさんは、追悼の意を込めて、姉の似顔絵をInstagramにアップしていました」(全国紙の国際部記者、以下同) イスラエルは、10月7日に行われたハマスの攻撃によって犠牲者1400人以上がどこで亡くなったかを示す地図を公開した。音楽祭が開催されたエリアには、死亡者を表す赤い丸が集まっており、シャニさんが命を落とした場所についても記載されている。さらに“音楽フェス虐殺事件”として、〈何時間にもわたって執拗に狩られ、実弾銃やロケット推進手榴弾ランチャーで撃ち抜かれて人々が殺されたり、武装した捕虜に連れ去られたりするのを無力に見守った〉と、フェス参加者が味わった地獄についても描写されている。
ジャーナリストも「もうやめろ……」
さらにイスラエルが、ハマスによる残虐行為を集めた映像を公開したとの報道もある。
「イギリスのタブロイド紙『デイリー・メール』は、イスラエル国防軍が一部のジャーナリストたちを集め、約45分間の映像を上映したと報じています。ハマスが民間人を殺害する様子をとらえた映像で、ある者は斬首され、ある者は撃たれ、少女が犠牲になる瞬間もあったといいます。 親子に手榴弾が投げつけられて、父親は即死し、生き残った息子が血まみれで『なぜ自分は生きているの?』と泣く場面もあり、参加したジャーナリストが『もうやめろ』と泣き叫ぶほどの残虐な映像だったという情報です」 一方で、イスラエル側も民間人を巻き込んだ報復攻撃を行い、国際的批判が集まっている。 「ガザ地区北部にあるジャバリア難民キャンプは、11万人を超える難民が登録されており、ガザで最大規模の難民キャンプです。10月31日、イスラエル軍はここに空爆を行い、少なくとも50人以上が死亡したとされています。 イスラエル軍の報道官は、空爆を認めた上で、『この攻撃によってハマスの指揮官を殺害した』と主張しています。しかし、ハマスの報道官は、『ジャバリアに指揮官はおらず、民間人を攻撃するための口実だ』と反論しています。 それぞれの思惑のもと、イスラエルもハマスも意図的なメディア露出をしている可能性があり、情報が錯綜している状況が続いていますが、双方の無数の民間人が犠牲になっていることは確かな事実です」 停戦はまだか。