フードコートで食事をしていたら、保護者としての自覚や危機感がなさ過ぎる父親と遭遇した、という投稿がX(旧Twitter)で大きな話題になった。 【漫画】「髪を染めてる子ども」はヤバい? 「フードコートで1人ドーナツ食べてたら、隣のテーブルでどこかのパパが、『ここでドーナツ食べてて。パパは時計屋さんで電池変えてくるから』と就学前の子ども2人を置いて行ってしまった。ここは地下で時計屋さん6階。子どもは3歳と5歳くらい。私がママなら怒る」 そう投稿したのは、ハッピーデイズ@支援員(@Ohhappydays6)さん。 小学校の支援員をしている彼女は、「お隣のテーブルの私が悪い人かもしれないのに…ね」「ほんの15分と思っても無理ですよね。何が起こるかわからないし、その時にどんなに後悔するかを考えたら無理」と、続けて投稿。共感の声が殺到した。
周りの善意を頼りにするな!
「よっぽど治安のいいフードコートなんだろうね、と思いたい…」 「ひょっとして5歳が3歳の面倒見るとでも思ってるんかな。父親が見ろよ!」 「だいぶヤバいお父さんだな。親としての自覚全くない。3歳、5歳とか一瞬も目離せないぐらいの歳だよ。待っててと言われても待たないよ。周りの善意を頼りにするなよ」 「簡単に持ち上げて連れて行かれちゃう年齢と大きさでそんなところに置いて行けません。食べてて喉を詰まらせらどうするつもりだろう。パパ探すのにその場から離れたらどうするんだろう」 「数ヶ月前、私も旦那に激怒したところです。息子が体調不良で、旦那が娘を外に連れ出してくれたのですが、YouTubeを見てるからと、3歳の娘をフードコートに置いて、旦那は1人でトイレに行ったと普通に話してきました。『少しやで?』て言われた」 「悪意を持ったやつが近くにいたら子どもの人生終わるのに」 「もしそれを聞いてて、パパに頼まれたから時計屋さんに行こうかって言って連れて行く人がいたらどうするんでしょうね…」
目的は……見ず知らずの女性に「子守」をさせること
さらに驚くことに、同様の経験をした!というコメントが多数寄せられた。 「主さんが女性なら狙ってやってると思う。昔、友だちと軽食食べてたら同じような父子が来て、ハ?と思ってたら友だちが大きめの声で帰ろ!と言うと、父親が大きめの声でえッ!と言うから何?と思いながら離れたら、あの人私たちに子守りをさせようとしたんだよ、と友だちの説明で驚いた」 「これさ、主さんの隣にわざと座らせたんだと思う。私も1人でフードコートいる時、同じように隣に来て子どもだけ置いてこうとしたから、そそくさと席立ったら『マジかよ』って言いながら別の席行った。そして別の“女性”の隣に座り直させてた。女の横に子ども座らせたら子守りしてくれる、と思ってる奴はいる」 「私も似た場面に遭遇しましたが、席を変えたら慌てて戻って来ました。見知らぬ人になぜ子守してもらおうと思えるのか…」 「あの子連れのおばちゃん(私のこと)に遊んでもらいな~!赤ちゃん可愛いね!って言えば遊んでくれるから(結構大きな声で)って、3歳くらいの子どもを公園に置き去りにして帰られたことがあります。それもパパさんでした」
目を離した隙に……3歳女児が殺害された凶悪事件
もちろん、子どもを放置する保護者は男性だけではない。 「先日、4歳くらいの子ども1人をイオ〇のキッズスペースに置いて行った母親と祖母を目撃しました。3分後にはギャン泣き…1分くらい見守ったけど、私が我慢できず、インフォメーションにその子を連れて行きました(すぐ付いてきてくれた。怖)」 そもそもなぜ、多くの人がほんの一瞬でも「子ども」を放置するな、とうるさく言うのか? それは過去に、スーパーに来ていた幼児が、父親が目を離したほんの数分の間に犯され殺害されたおぞましい凶悪事件(『熊本3歳児女児殺害事件』)が起きているからだ。 「2011年に父親と5歳の兄と来た3歳女児が1人でトイレに行き、若い男に犯された上で殺され、リュックに詰めて運び出され、遅れて探しに来た父親が遺体を運ぶ犯人とすれ違う、という地獄のような事件が起きているのに…」 「以前、デパートでもっと大きいお子さんが女性に連れて歩かれながら、助けて!とか、この人お母さんじゃない!と言っているのを見かけた人が声をかけて救出した、というのを読んだことがあります。その女性は、この子何言ってる?のとか、周りに誘拐とわからせないような感じだったそうです」
パパに置き去りにされた3歳児と5歳児のその後は…
ハッピーデイズ@支援員さんに話を聞いたところ、その日は週末でフードコートは混雑しており、「たまたま空いている席を見つけて子どもを座らせてた感じでした。女性や家族連れが多く、ピンポイントで私を狙ったわけではないと思います」とのこと。 「上の子は女児で、下の子は男児でした。2人ともお利口さんで、『うん。わかった』と素直に座っていました。私は自分の食事が終わったタイミングで席を立ちました。隣にいたのは5分くらいなので、その後、子どもたちがどうなったかはわかりません」(ハッピーデイズ@支援員さん)
その「数分間」を一生後悔する
ハッピーデイズ@支援員さんは「小学校の支援員」。仕事柄、「子どもと話すのは得意なので、悪意を持てば、個人情報を聞き出したり、どこかに誘い出すことは出来たと思います」と語る。 「子どもたちを女性の近くに座らせれば何かあっても助けてくれるだろう、という考えがその方にあったかどうかは不明ですが、『女性だから子どもに優しいはず』という思い込みはむしろ危険だと思います。実際、私はすぐに席を立ちましたので見守りはしなかったですし、もしかしたら私が悪人かもしれませんよね。 そもそも、たとえ数分でも我が子から目を離すことはとてもリスキーだと思います。事件・事故に巻き込まれる不幸な出来事が起きた時に、一生その数分間を後悔することになる。そういう過去の事例や可能性を多くの人が知っているからこそ、今回のポストは怒りと共に伸びたのだと思います」(ハッピーデイズ@支援員さん)
性善説の裏側のリスクから子どもたちを守って
凶悪事件のニュースではしばしば、「そんな人には見えなかった」という証言を見受ける。悪人は必ずしも悪人の顔をしていない、ということなのだろう。 悪意を持つ人物は常にターゲットを物色し、機会を伺っている。海外では臓器売買などを目的とした、子どもの連れ去り事件が多発しているという。 偶然その場に居合わせただけの他人(主に女性)に「子どもの安全」を担保させようとするのは、保護者としてあまりにも危機感がなく、無責任な行動と言える。 「今回のパパさんは、『うちの子たちは良い子だし、周囲にも悪い人はいないはず』という性善説の上での行動だったのだと思います。実際に世界がそうであれば、育児はもっとハッピーなのだと思います。 でも多くのリプライがその性善説の裏側のリスクを書いてくださっています。今回私が投稿したポストが伸びたことで、さらに多くの方が子どもたちの安全に気をつけてくれるようになれば良いのかなと思います」(ハッピーデイズ@支援員さん) (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)